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仔猫アンジェ オスカー様編2




子猫アンジェとの生活は悪くはない。
だが、オスカーとて成人男性である。
一番大事なのはアンジェリークではあるのだが、アンジェリークは現在“猫”である。
ちょっとここいらで・・・と、とある女性を私邸に連れて来たことから始まった。
どうみてもオスカー好みの大人の女性。
言うなればフェロモンがぷんぷんした妙齢の美女である。
私室にその女性を連れてよろしくなきことをしよう、と考えたオスカー。
部屋に入った途端、子猫アンジェの猛攻を受けたのだ。
あきらかにその妙齢の美女に敵意を剥き出しにし、部屋の中を暴れ回り、飾ってあった花瓶や骨董品等
を床に落としたり、羽根布団や枕をひっかいて中の羽根を撒き散らし、挙句の果てには妙齢の美女に爪を
立てたのだ。
「きゃあっ!」
「アンジェリーク!」
さすがのオスカーもこれには声を荒げた。
「にゃっ!」
「いい加減にしないか! アンジェリーク!」
「みゃぅ!」
こつん、と力をいれずに子猫アンジェの頭を叩き、オスカーはそのまま妙齢の美女を連れて部屋を
出ていってしまった。
しばらく鳴いていた子猫アンジェだったが、誰もいないことをやっと理解したのか、ベッドの下に潜り、
小さく丸まった。
───そしてそのまま二日が過ぎた。
お腹がすいた子猫アンジェだったが、部屋には食べるものなどなく、飲み水すらない。
かろうじて自分が倒した花瓶の水を飲んで過ごしていたのだが、何も食べてない状態では身体も弱ってくる。
動く元気もなく、ずっとベッドの下で丸まっていた子猫アンジェの耳に、二日ぶりにオスカーの足音が
聞こえた。
「・・・っと」
部屋の中の荒れ具合を見て一瞬驚いたオスカー。
子猫アンジェのトイレも汚れ放題である。
オスカーはすぐに二日前の出来事を思い出した。
部屋に誰も入るな、と厳命していただけあって、私邸の人間は主の命令を忠実に守っていたようだった。
「アンジェリーク?」
いくら呼んでもアンジェリークが姿を現さないことに怪訝そうな顔をするオスカー。
そこで再び重大なことに気が付いた。
約二日間、誰も子猫アンジェに食事を与えてないのだ。
食事どころか飲み水でさえ。
「アンジェリーク!」
あちこち子猫アンジェを探し回るオスカー。
やっとのことで子猫アンジェを見つけたのは一時間後のことであった。
ぐったりしている子猫アンジェを見て、激しい後悔の念がオスカーを襲った。
人間と違って、お腹がすいたからといって勝手に食事を取れない子猫アンジェ。
急いで飲み水と食事を用意し、子猫アンジェを抱きながらゆっくりと食事を与える。
「すまない、お嬢ちゃん」
子猫アンジェは、ゆっくりとおいしそうにオスカーから食事をもらって食べている。
オスカーが用意した食事の半分を食べ終えた頃、とりあえずは満足したのだろうか、子猫アンジェは
オスカーの腕の中から抜け出し、トイレをすますとベッドの下で毛づくろいを始めた。
「お、おい、お嬢ちゃん・・・」
心配そうに子猫アンジェを見るオスカー。
やがて毛づくろいを終えた子猫アンジェは、再びオスカーの側に寄ってきた。
「・・・・・」
「なぅ」
切ない気持ちがこみ上げるオスカー。
自分の不注意でアンジェリークを子猫にしてしまい、その上、自分の勝手な振る舞いでアンジェリークに
辛い思いをさせてしまった。
もうこんな思いはしたくない、させない。
───アンジェリーク・・・
子猫アンジェを抱き上げようと手を伸ばした時だった。
がぷぅ
「〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!!」
大人猫でなくって良かったが、それでも痛いものは痛いのである。
オスカーに思いっきり噛み付いてすっきりしたのか、子猫アンジェはオスカーの足元で安らかな寝息を
たてはじめた。
「・・・お嬢ちゃんらしいってとこか」
噛み後がついている手をさすり、オスカーはそっと子猫アンジェを抱き上げた。
子猫アンジェの毛を優しく撫でる。
気持ちよさそうな顔で寝ている子猫アンジェ。
「───ん? お、おい?!」
ふわふわした感触がすべすべした感触に変わり、オスカーの身体に重みが加わる。
「アンジェリーク!」
そう。
ルヴァの説明通り、アンジェリークの身体から“猫茸”の成分が消え、子猫から人間の姿にもどったのだ。
「・・・・・・」
自分のマントで何も着ていないアンジェリークの身体を包み、そのまま後ろからぎゅっと
アンジェリークの身体を抱きしめるオスカー。
「参ったな。
 ───このままだと狼に変身してしまうぞ、アンジェリーク」
だが、オスカーの囁きにも反応せず、ただ子供のように眠りつづけているアンジェリーク。
「やれやれ、大人のレディにはまだ早いってところか」
残念そうにしかし嬉しそうにオスカーはアンジェリークを包み込んでいた。

「ん・・・・」
あれから一睡もせず、アンジェリークの寝顔を愛しそうに見つめているオスカーのアップを見て、
アンジェリークは声も出ないぐらい驚いていた。
「よぉ、お嬢ちゃん、俺の側でぐっすり眠れたか?」
「な・・・な・・・!!」
何も着てない身体にオスカーのマントだけが巻かれ、しかもオスカーのベッドの上。
確か自分は、オスカーと一緒に森でバーベキューを───
「わ、私・・・オ、オスカー・・・様・・・」
パニックになっているアンジェリークにオスカーは優しく声をかける。
「安心しな、お嬢ちゃん。俺はそこまで無粋じゃないぜ」
ベッドが軋む音を立て、オスカーはアンジェリークの上に覆いかぶさる。
「───お楽しみはこれからだぜ、お嬢ちゃん」
「え、あ、オ、オスカー様・・・?」
「アンジェリーク・・・」
アンジェリークの唇にオスカーの唇が重なり───
がぷぅ
「〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!!」
「オスカー様のえっちーーーーーっっ!!!!!!!!!!!!!!!」


こうして、アンジェリークに唇を噛まれたオスカーがベッドの上でいつまでものたうちまわって
いたのでありました・・・


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